健康を考えた食生活を送る私たちですが、気づかぬうちに塩分を過剰に摂取しているかもしれません。特に、伝統的な和食はうまみと共に、意外なほどの塩分を含んでいることがあります。海外でも評価の高い和食ですが、私たち日本人の塩分摂取量は世界の中でも高い水準にあります。その主な理由は、塩を多用する調理法にあります。うまみを引き出すため、漬物や焼き魚、煮物には塩が欠かせません。
しかし、塩分を過剰に摂ると、体はどうなるのでしょうか。むくみは最も一般的な症状です。体は過多な塩分を薄めるため、水分の排出を抑え、細胞の外に水分が溢れ、むくみとなって現れます。さらに重要なのは、高血圧や腎臓疾患、不整脈といった重大な疾患へのリスクが増加することです。これらのリスクを避けるためにも、日々の食事には注意が必要です。
塩分摂取を減らすためには、生活の中で小さな工夫をすることが大切です。例えば、ラーメンやうどんの汁は残すこと。これだけでも塩分の過剰摂取を抑えることができます。カリウムを多く含む食品を食事に取り入れることも有効です。カリウムはナトリウムを体外に排出する役割を果たし、血圧の上昇を抑えます。また、調味料ではなく、香辛料や香味食材を使うことで、塩分を控えながらも味わい深い料理を作ることが可能です。
塩分摂取のポイントは、全体のバランスを考えることです。食事の中で一品だけ味の濃いものを取り入れ、他の料理は薄味にするなど、工夫しましょう。また、みそ汁のように、伝統的に塩分を多く含む料理に対しては、だしを多用し、味噌の量を減らすなどの調整をすると良いでしょう。
日々の食事における小さな気づかいが、塩分摂取量を劇的に変えることに繋がります。みなさんも楽しみながら減塩のコツを見つけ、健康的な食生活を送ってみてはいかがでしょうか。